おくりびと


「泣く猫のアパート」


2020年解体


その1 机上調査編


 令和3年(2021)3月7日、「ととと -盛岡の泊まれるたまり場-」場主、小野寺拓二さんから1枚の絵葉書を見せられ、「この建物、どこにあるかわかりますか?」という質問を受けました。

 飯坂真紀さんの作品を絵葉書にしたもので、題名は「泣く猫のアパート」。アパートの裏面と思しき外壁が描かれています。

 こういった調査も面白そうなので、さっそく事務所に戻り、パソコンで机上調査を始めました。


油町

出典:国土地理院

 場所は盛岡市の「油町」とのこと。油町は旧町名で、諸説ありますが、ほぼこの緑色の範囲になります。

 アパートの裏面となると北側か西側でしょうから、その外壁面が公道などから見える建物というと、かなり絞られます。

 黄色の建物はジョイス本町店の通路から見て知っていたので、おそらく赤の建物でしょう。


グーグル航空写真

出典:グーグル

 グーグルの航空写真で見ると、古いアパートっぽい屋根が見えます。

 間違いないと思い、西側道路からストリートビューで見てみます。


ストリートビュー2020

出典:グーグル

あれ?、建物がない?


ストリートビュー2020加工

出典:グーグル

 赤い部分のあたりに建物が見えるはずなのですが、もしかすると解体されたかな・・どうやら、 また呼ばれたようです。


グーグルアース1

出典:グーグルアース

 グーグルアースの方がデータ更新が遅いので、もしかしたら残っているかもと思い、3Dビューで見てみたら発見しました。

 記憶があやふやなのですが、この当時(2021年3月)は、まだストリートビューの「他の日付を見る」が使えなかったと思います。


グーグルアース2

出典:グーグルアース


本当に泣いてる。


 小野寺さんに、この建物の位置と、おそらく解体された旨を報告しました。
 調査時間は約30分でしたが、非常に濃密な時間を過ごしました。


が、ここは現場に行くべきでしょう。


続きます →


桂汎用工房

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