朝顔を並べてみた


質問1への回答


・これはなんですか?
・どうしてこういうことをしたのですか?
・これは◯◯ですよね?


A 捨てるのがかわいそうなので並べてみた

 これが全ての答えであり、一番最初の動機でもあります。
 最初にも書きましたが、咲いた花を摘み取らないと、次の蕾が育たないと指導されたので、毎日夕方にしていました。
 気温が低めの日や、雨模様のときは花が長持ちし、暗くなっても開いていることもありました。そういうときは摘み取ると、まだ花が「生きている」感触がするのです。

 毎日毎日それをゴミとして捨てていましたが、ある日なんとなく、摘み取った花を地面に並べてみました。次の日の朝になっても、ピンク色になった花は、まだ鮮やかさを感じさせました。

 その色が褪せるまで、並べておくことにしました。


B 宇宙人との交信

 「UFOを呼んでるんですか?」とか聞かれました。
 それはない、と思いつつも、完全には否定できない気分があって、無意識のうちにそういう感覚で並べてたのかもしれません。


 芸術の分野で、ランドアートやアースワークと呼ばれるものがあります。大地や自然をキャンバスに見立て、壮大な表現をするものが多く見られます。
 たとえば、ナスカの地上絵などは、その元祖とも言えますし、ミステリーサークルも今やその一種でしょう。
 どちらも以前は「宇宙人が作ったのでは?」とか言われていましたが、両方とも人間が作ったものです。ミステリーサークルを作るサークル活動とか、冗談みたいな話もあります。神への祈りにせよ、目立ちたいにせよ、人間の表現本能は面白いものです。
 逆に考えれば、どちらも天や宇宙に向けての「メッセージ」とも受け取れるわけで、これらを見て宇宙人が興味を示す可能性もなくはない、と思ったりします。
 実際、19世紀には麦畑で巨大な幾何学図形を描いたり、サハラ砂漠に大きな円環状に炎を焚いて、地球外文明に人類の存在を示す、という案が検討されたこともありました。
 小学校の時にUFOの本を読んでは、恐れたり憧れたりしたものです。朝顔を並べた程度でUFOが来るのなら、地球はとうに宇宙人だらけになっていそうですが、もしかしたら・・という思いは残っているのかもしれません。


参考文献
「特集=ランド・アート」『アールヴィヴァン』1986年20号、西武美術館
「特集 クリスト/アースワーク」『美術手帖』1991年11月号、美術出版社
シモーヌ・ヴェズヴァール『ナスカの地上絵』1983年、大陸書房
「ファーストコンタクトを求めて」『最新科学論シリーズ21 最新地球外生命論』1993年、学研
荒井欣一監修『UFO追跡大作戦』1976年、少年少女集英社文庫


C 私の前世はアズマヤドリかもしれない

 実はそうだったらいいな、と思うくらい、アズマヤドリは好きです。初めて知ったのは、科学雑誌「ニュートン」の記事でした。
 オーストラリアに住むアズマヤドリ、ニワシドリと呼ばれる鳥たちは、メスを誘うために巣を作り、その周囲を様々なもので飾り立てます。特にアオイロアズマヤドリは、その名の通り青いもの、青い花や羽根、青い洗濯ばさみや、ペットボトルのキャップ等々を巣の周囲に敷き詰めます。なんか自分と同じようなことしてるような親近感があります。

BBCアースのアオアズマヤドリ動画 YouTube


 人間と、それ以外の動物の違いが「服を着ること」ではないかと考えたことがあります。擬態やカモフラージュではなく「装飾として服を着る」のは他にないだろうと。そういった意味から、アズマヤドリなど、自分で装飾を行う鳥類の一部は、感性的に人間に近いのではないか、とも思います。
 資生堂マジョリカマジョルカの基本コンセプトのなかに、自分の体にきれいなもの飾る鳥が、女神に認められて美の伝道師となるストーリーがありますが、 この動画とか を見るとフィクションとは思えなくなります。
 本来は巣材を運ぶための行為なのですが、これがちょっとした変化で、求愛の表現になったら、それこそ「服を着る動物」が人間以外に出現するかもしれません。


 もし私の死後、オーストラリアで、オレンジ色の飾りを並べるアオイロアズマヤドリが発見されたら、私の生まれ変わりだと思ってください。


参考文献
「大特集 オーストラリア」『ニュートン』1985年7月号、教育社
MAJOLICA MAJORCA Voyage製作委員会『MAJOLICA MAJORCA Voyage』2011年、ポプラ社


D 悪魔ベリアルの召喚

 「何を召喚するんですか?」「これ魔法陣ですよね?」
 とかも言われましたが、いやそれはない(断言)。
 普通、召喚儀式は人に見られる場所では行わないでしょうし、ましてや朝顔を並べた程度で(以下略)。
 魔法陣ぽく見えたものもあったのは、まあ分からなくもないです。


魔法陣みたいなの

これとか


 表題を悪魔ベリアルにしたのは、なんとなくかっこいい、と頭に刷り込まれてるからでしょう。
 その名は「反逆者」「従わぬ者」「無価値」を意味し、ルシファーに続いて創造され、美しく優雅な天使の姿で、炎のチャリオットに乗って現れる、という中二病魂全開の設定となっております。


参考文献
コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』1990年、講談社
フレッド・ゲティングズ『悪魔の辞典』1992年、青土社


E 県警にいたころ並べ師と呼ばれていた

 いや、そんなことはないのですが。
 警察が盗難の押収品などをマスコミに公開する際、妙にきっちりと並べていたり、色分けしてグラデーションになっているのがありますが、ああいうのを見ると、なんとなく似通った雰囲気を感じてしまうのです。


参考文献
「本庁配置係の巻」秋本 治『こちら葛飾区亀有公園前派出所 195巻』2015年、集英社



桂汎用工房

HOMEへ戻る

質問と回答へ戻る